「路地の本」の取材で水天宮に行った。大安戌の日だからして地下鉄の駅から次々に妊婦さんが現われてくる。ひとりの妊婦さんに夫や母親、姉妹と平均ふたりくらいづつのつきそいつきで、いきおい長くなる列に「少子化なんて誰が言ってるの?」と妊婦さんの声。日本まだまだ大丈夫かもとちょっとほっとして妊婦さんを堪能した後は人形町をぶらぶら。いやー、人形町は大人の街だね。つづら屋に三味線屋、末広屋に足袋屋。名のとおり人形焼屋も多いけど、編集者お勧めの戦車や大砲、兜まである「戦時焼き」が面白くてつい買っちゃいました。夕方風情ある路地をスケッチしてたら、通りに黒塗りのハイヤーが止まっては背広姿の男たちが路地の地味なのれんをくぐっていく。中ではどんな密談が?大人の街の面目躍如だね。