ご存知ですか?アンジェリク。S・Aゴロン作の小説で17世紀、ルイ14世のフランスを舞台に、パリの裏町で乞食と共に暮らしたかと思えば、ベルサイユで綺羅を飾り、果ては地中海海賊の奴隷となり、モロッコの王宮から砂漠への逃亡。そしてインディアン華やかなりし、新生アメリカへ渡って、新天地を築く世にも美しいアンジェリクの物語。26巻という長編の中の長編です。
長編好みの私にとってもこれほどの長編はめったにない。表紙がいかにもベルサイユなのはいただけないけれど、訳者が井上一夫です。87分署の井上一夫。訳者っていうのは、私、信用しているの。仕事とはいえ、趣味の合う本を訳しているでしょうからね。思い切って読んでみた所、これが面白いのなんの。いや、この二ヶ月ばかり、ホント楽しませていただきました。電車でどこかに行くのだって、この本があればどんとこい。ま、荒唐無稽の話ではあるけど、アンジェリクが強いのよね、精神が。出てくる男もいい。時代背景も面白い。でもなんたって長いから、妹なんか図書館で借りるのがいやで、オークションで買ったのに途中で挫折したみたい。私は飽きなかったけどなー。終わっちゃって残念!