8年前の3月11日、私はボルネオのジャングルにいた。
テレビもラジオもコンピューターもなく、
日本で未曽有の大震災が起こったことを何ひとつ知らずに。
高くたかくそびえる木の梢で遊ぶオランウータンをのんきに見上げていた。
オランウータンにとって木の梢は家であり、食堂でもある羨ましい暮らしぶりなの。
やっと日本に到着した飛行機から見た東京は灯りひとつなく真っ暗。
自分だけがよその国にいたことが、今でも申し訳ない気がする。
でもジャングルの空気や光景も忘れられない。
帰ってからテレビで見た悲惨な映像とともに鮮烈に心に残っている。
どうぞ被災された方が少しでも幸せを取り戻せますように!
そしてオランウータンもずっとジャングルで暮らせますように。