「ぼくがあっこちゃんの卒論書いてあげたの覚えてる?」
久しぶりに会った兄がそう言って、私はそれさえ覚えていなくて・・
中間報告では原稿用紙いっぱいに「現在着々と進行中!」とだけ書いて
提出したのは覚えている。
それほどひどい学生だった。
「国立でなければ、短大にしか行かせない」というのがうちの決まりで、
国語だけは優秀だったから青学短大国文科に入学。
大学と一緒の吹奏楽部バトントワリングに入って練習したり、デートしたり、
旅をしたりと楽しい二年間だったけど、勉強した覚えはさっぱりない。
せっかく俳人、詩人としても名高い加藤楸邨先生や安藤次男先生がいたのにね。
天気がいいと学校へ行かず、バトンを振り回しながら高尾山に登ったりして・・
思えば人生の中で一番気楽な時代だった。
大学自体気楽なイメージだったけど、このところ青学の駅伝すごいね!
あまり感じたことのない母校愛がふつふつ沸いてきて、夢中になって応援した。
明日は青学短大の同窓会国文学科会で講演会をする。
卒業以来初めて訪れるわが母校。
恥ずかしいような学生時代を過ごした場所、懐かしい顔に会えるかと
ちょっとドキドキ。