あっけなく急に、長年の仕事仲間の宇井ちゃんが逝ってしまった。
はじめて一緒の仕事は北極。
強風うずまき、バリバリと鼻毛も凍る-35度のイカルイット。
ホテルまで、ほんのちょっとの間に宇井ちゃんのほっぺに絆創膏を貼ったみたいな痕が。
凍傷なのに、痛い痛いと笑ってた。
すごく緩くて情緒あるダヤンのモノクロ鉛筆アニメを一緒に作ったっけ。
夜中まで黒ベタを入れる作業も手伝って、眠いと笑ってた。
2011年には台湾で「ダヤンの音楽物語」の公演を開催。
絵はゆるゆる動き、冒頭で眠ってしまうダヤンのコマ絵は眠りながら笑ったり、
そばを金魚鉢を持ったフールが流れていったり、イスとダンスを踊ったり。
映像とともに流れるのは、美しく愉快な四重奏の生演奏。
もちろん監督は宇井ちゃんだ。
宇井ちゃんの作るものは質が高くて品がいい。
いつも笑ってた宇井ちゃん。
音楽を愛し、音楽に愛されていた。
日曜の告別式は木ノ花美術館のイベントだから行けなくてごめん。
木ノ花美術館の隣の音楽堂でもやって、楽しかったね。
「ダヤンの音楽物語またやりたいね」といつも話していた。
あとずっとたって、みんなが集まったら雲の上で音楽会をやろうか。
向かって右が宇井ちゃんだよ。ほら、笑ってる。